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サフランロード
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カシミールのサフランと、サフラン栽培農家、グラム・バット氏

− サフランと、スーフィーと、そよ風 −

インドのカシミール地方は、世界的にも有名なサフランの産地です。そして、この地方のサフランは、スーフィーと深いつながりがあるのです。パンポレのサフラン栽培農家の人は、みんな、サフランはスーフィーの聖者がパンポレにもたらしてくれたもの、と信じています。 そんなパンポレのサフラン農家、グラム・バット氏を、ここでご紹介しましょう。

 


カシミールのサフラン栽培農家、グラム・バット



サフラン畑で、ラムザ−ン(左)と弟。


スーフィーの神秘家が消えたあと、そこにいたのはモハメッド・ラムザーンと5,6人の人たち。
そこでは、いま、マスタード・シードの収穫をしているところでした。
サフランの端境期には、こうしていろいろな作物を作るのでしょうね。


インドカレー料理にかかせない、マスタード・シード。

私は、ラムザーンがご主人だと思って、いろいろ質問しました。こんなかんじです。
「サフランはいつ咲くのか?」
「10月20日から11月初めにかけて、花を咲かせる」
「サフランの花を収穫するのは、いつか?」
「10月末から11月にかけて」
「そのあと、どれくらい乾燥させるのか?」
「2週間くらいだ」
「この畑でどれくらい収穫できるのか?」
「だいたい1ヘクタールあたり、75トラ(約750g)くらいだ」
「1g、いくらで売れるのか?」
「1トラ、2500−3000ルピー(1ルピー2円くらい)だ。今年は収穫が少なかったから、高く売れた」
「なぜ今年は少なかったのか?」
「インシャラー(神の心のままに)!」
「肥料はなにか与えるのか?」
「神が与える」
「一度種をまくと、10年くらい咲きつづけるというのは本当か?」
「だいたい8−10年くらいは咲きつづける」
「サフランはよい作物か?」
「神のギフトだ」

たんたんと、簡潔明瞭に、私の質問に答えていくのです。
私はこのラムザーンが気にいったので、翌日お茶を飲みに家を訪ねることにしました。
彼が教えてくれた家を訪ねると、彼ともうひとりの老人が、私を二階に連れてあがりました。
そこにはタバコ・パイプがあり、スーフィー音楽がかかっていました。

   
パンポレのサフラン栽培農家、グラム・バット氏。ただ立っているだけでも、宗教的な威厳がただよっているようでした。

あとから知ったところによると、このもうひとりの老人が、じつはこの家の主人で、サフラン畑の持ち主であったのです。ラムザーンは、頑固で、忠実な、執事(マネージャー)といったところでしょうか。
このご主人、グラム・モハメッド・バット氏は英語を話さないので、残念ながら直接お話はできないのですが、自然な立ち居ふるまいのなかに、威厳と,格調がただよっていて、単純に、「あれ。この人、すごいな」と思わせる何かがあるようです。

サフランは、なにか、神とか、霊性とか、スーフィーとかと、密接につながっているかんじがしますね。

このあと、カシミール・カワと呼ばれるサフラン・ティーをごちそうになりましたが、そこにもこんな人たちがおりました。 みんなスーフィーです。
すごいところだ、サフランの里は。


カシミールのタバコを吸う、グラム・ラスー・スーフィーと、おじいちゃん。





サフラン・ティーの作り方

○カシミール(インド)のホール・サフランは、サフランロードから入手できます。




よいサフランの見分け方
サフラン・ティーの作り方 サフラン・ティーの作り方 サフラン・ティーの作り方
左は、私がサフラン栽培農家から直接買ったサフラン。生薬のような強い香りがして、色がエンジ色、ひとつひとつにめしべのトップの部分がついている。右は、ラウルチョークの店で買ったさふらん。色が赤っぽく、半分くらいにはトップの部分がなく、線のようなサフランである。ここいらの人は、だれもがこれはフェイク(にせもの)だと言います。しかも、驚くことに、「J&K政府承認」と明記されているのです。いったい、何を承認しているのだろうと、不思議です。が、私もようやくいろいろサフランについてわかってきたね。
最良のサフランの見分け方を、カシミールのサフラン栽培農家から聞きました。
カシミール・サフランは品質も世界一だと言われていますが、価格も世界一高いのです。それでイランなどから安いサフランが入り込んで、ミックスされたりして、ディーラーなどの手によって操作されているのが現状です。
私はゴアやムンバイでサフラン1g、250から300ルピー(約650−700円)で売られているから、カシミールに来たら半分くらいの価格だろうと思ってました。 しかし、スリナガルの銀座通り、ラウルチョークの目抜き通りのドライフルーツ・ショップで買っても、同じ値段です。 驚いたことに、パンポレという村のサフラン栽培農家から直接買っても、やっぱり1g300ルピー(約700円)なのです。
しかし、その秘密が少しづつ解き明かされていくと、私はふかーく感心しましたね。

わかってみると、なんでも、「なるほど」と納得するものですが、このサフランの価格と品質のからくりは、なるほど、を凌駕する「なーるほど、そうなのか!」でした。
※ひとつは、さきほど書いたように、安いイラン産のサフランと混ぜること。
※第二の方法は、サフラン農家はサフランの上のほうと下のほうを半分にちぎって出すことがあって、下のほうはだいたい8分の1くらいの値段で売られるそうなのです。それに、イランからやってきた安いサフランを混ぜると、ゴアの最終小売価格が300ルピーで収まるのです。
しかし、パンポレまでやってきて、サフラン栽培農家から直接買っても、いちばんよい部分だけを買おうとすると、やはり1g300ルピーになるというわけです。
では、ベストな部分は何になるのかと言うと、、アーユルヴェーダの薬の材料として買われていくのです。当然、アーユルヴェーダの医者は、何が本物か知ってますからね。そこから、アーユルヴェーダの薬も調合するのでしょうから。

ですから、よいサフランの見分け方は、このようにして見分けてください。
(1)匂いが強く、その匂いは生薬(漢方)のようなにおいであること。
(2)色が濃いエンジ色であり、赤やオレンジ色ではないこと。最近は、色まで染められた人工のものがでてきているらしい。
(3)ちょっと見ると、盛りあがった山のようなめしべの上の部分がついていること。ただの細い線のようなサフランは、めしべの上の部分をアーユルヴェーダの薬用にとったあとの、安い品質のものとされる。

このようなことを知ったうえでサフランを購入してみると、またひと味おもしろみも増すというものです。
サフランは高価なものです。もし小売価格が1gあたり1000円以下だったとしたら、ディーラーたちによって何か細工(工夫)がされていると考えて、間違いないでしょうね。
いろいろな価格のサフランを検討してみながら、最高級のサフランの味わいもお楽しみになってくださいね。









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