サンダルウッド(老山白檀)の木は、すべて登録され、番号がついている。(マイソールのオイル工場敷地内にて)
マイソール・サンダルウッド(老山白檀)の最高級エッセンシャル・オイルは、ガラスのボトルにはいり、特別仕様の箱におさめられています。
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いま、インドではサンダルウッドがどんどん消えていってます。盗伐で、サンダルウッドの木自体が激減し、政府の統制がきびしくなっているからだそうです。 私のよく行くアーユルヴェーダの先生のところも、もうチャンダン(サンダルウッド・白檀)の入っている薬は、「取り扱い禁止」になったということで、何もありません。
街でも、サンダルウッドの商品を扱っている店が、警察に没収されたりして、一時期たいへん混乱したようです。たぶん、盗伐のルートを調べたかったのでしょうかね。
今は、ちょっとは収まってますが、街の業者はみんな警察の手入れを恐れて、あまり扱いたがっていないようです。
それでは、とまじゅは、サンダルウッドの中心地であるマイソールに行って見てみようと思ったわけなんですよ。
寝台車の夜行バスにゆられて、ゴアからおよそ15時間、翌朝の9時ごろ、まずカルナタカ州の首都、バンガロールに着きました。 ここには私のお目当てのひとつ、マイソール・サンダルウッド・ソープで有名な「カルナタカ・ソープ&デタージェント」の本社工場があります。タクシーで行ってみると、でっかいんですよ、入り口も警備員でかためられて、ちょっと、入るのをためらわせるようなかんじでしたね。
でも、日本から来たんだ、と言ったら、案外こころよくあっちのゲートから入るように言われました。
いつも思うんですが、インドでは日本人は好感をもたれているようです。ありがたいことです。
「カルナタカ・ソープ&デタージェント」の本社工場。ぎょうぎょうしいんで、まじゅは最初ちょっとビビリました。
結局、なんのアポももたず、名刺ももたず、ジェネラル・マネージャーのトリネトラさんに会えたのです。
「最近、サンダルウッドが激減しているらしいが、こちらの製品もオーストラリアのオイルを使っているんですか」、と聞くと、「いやそんなことない、全部マイソールのサンダルウッド・オイルを使っている」、と言ってました。
サンダルウッドの粉のこと、線香のこと、石鹸のことなどを話しているうちに、いつしか話題はサンダルウッドのエッセンシャル・オイルにいったので、私は「マイソールのサンダルウッドとほかのサンダルウッドはどこがちがうのか」と聞いてみたんです。
そうすると、彼はおもむろに後ろの棚からボトルをふたつ出してきて、右と左の手の甲にそれぞれ一滴づつたらして、ぬりこんでくれました。
右手にぬったのはオーストラリア産のサンダルウッド・オイルです。
「フム、これはいつもの匂いだな」とまじゅは思いました。いい香りでした。
「今度のはマイソールのオイルだよ」とトリネトラさんが、左手の甲に一滴つけてくれたエッセンシャルオイルの香りをかいだときのことは、忘れられませんね。
「あれー?」と思いました。 最初・・・「これ、なに?」ってかんじ。
頭のなかはからっぽだったんですが、大きなギャップのなかに入っていたんですよ。
それを言葉に出してみると・・・
まず、自分のなかに、マイソールのサンダルウッドは「老山白檀」という特別な名前がつけられているくらいだから、ほかのサンダルウッドより、はっきりと、強烈な香りがするのか・・・という思い込みがあったんです。
ところが、つけてもらった老山白檀の、それも最高級のエッセンシャルオイルの香りは・・・あくまでも、やわーらーかー、だったんです。期待は完全にうらぎられました。
でも・・・「あれー?」とまたこころのなかで思いました。
この香りをかいでると、自分のなかのまったく違うところに呼吸が入っている・・・この香りは、いままで使われたことのない新しい次元に作用してる・・・みたいなんですよ。
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