あるとき親友のMちゃんが、「まじゅ、これ知ってる?」といって、ちっちゃいサツマイモみたいなやつをもってきた。
「なに、それ?」って聞くと、「コカムっていうの。ゴアが産地だから、調べてみたら?」。
手に取ると、かるくて、ちょっとオイリーで・・・不思議なカンカク。
「昔のインド人は、これを乾燥して割れた肌にすりこんで塗ったそうだ。唇につけたり、足につけたり・・・すごく肌にいいらしい」
というので、ちょっと調べてみたんです、ゴアに来たときに・・・。
そしたら、なんと、まあ、すばらしいんだ、これが。
いつも行くスパイス屋のおっちゃんいわく。
「
コカムバターは天然の特効薬だ
。乾燥して割れた皮膚につけてもいいし、切ったり膿んだりした傷口につけてもいい。食べてもいいんだ。ちょっと火にあぶるとすぐ溶けるから、チャパティーにつけて食べると、便秘や消化不良に抜群だし、胃潰瘍にもいいんだよ。でも、もうほとんど忘れらてしまった。若い人たちはニベアなんかのほうが、かっこよく見えるからね」
どうりで・・・もう何年もゴアに来ているのに、コカムバターなんて聞いたことなかった。
じゃ、ほんとにいいかどうか、さっそく試してみよう !
と思って、さっそくコカムバターを溶かして、大さじニ杯分くらいをご飯と蒸し野菜にかけて食べてみた !
ちょうど都合のいいことに(?)、その2日前に食あたりして、その後も胃がおもくかんじてたので、実験するにはちょうどよかったわけ。
とくべつな味はなにもなかった。これは、おじちゃんが言ってたので、期待もしてなかったけど、むしろ、見事に、何の味もしない。
しばらくたっても、とくべつなことはなにもない・・・。
でも、「むむ!?、待てよ。いつもだったら食べたあと胃が重くなるのに、今日は何もかんじないぞ」
なんとなく、胃の弱っているところにコカムバターが厚くやわらかな膜ををはって、おだやかに保護してくれているってかんじ。
「おお、これは、いいなあ!」と思いましたね、 まじゅは。
それ以来、毎日コカムバターを料理に使って食べてます。
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