コカムの木
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セイタンを作りはじめたキッカケ

-  正食から自然食へ −


私がマクロビオティックを始めたのは、およそ30年ほど前のことである。当時、私は沖正弘導師のもとでヨガを学んでいた。
沖ヨガ道場では、朝のジョギングのあと、朝食として一杯の味噌汁をいただく。昼食は、玄米と少量の野菜のおかずがでる。夕食は、一杯のそばである。
食事の量があまりにも少ないので、最初は驚いたが(当時私は20代の若者である)、普通に食べるとあっという間になくなってしまうから、 おのずと少しの食事をできるだけ時間をかけ、ゆっくり何回も何回もよくかんで食べたものだ。
驚いたことに、そうやって食べていると、食べ物の味がよりおいしく、自然の甘さがなんともいえずますます美味になっていくのである。 そうして数日たつころには、私はさらなる驚きのなかにいた。 これっぽっちの食事量しか取ってないにもかかわらず、わたしはいきいきとしたエネルギーに満ち溢れているのである。
一ヵ月後、道場を出るころには、私は玄米とこの祖食の味わいに恋していた。

私は家に戻ってからもこのヨガ道場スタイルの食事をつづけた。 そして、あとになって、これが「マクロビオティック(玄米正食)」だということを知ったのである。
私は動物の肉を取るかわりに、たくさんの野菜たんぱくを取るようになった。そのなかでもっとも好きになったのが、大豆製品とセイタンだった。
日本にいるときは「グルテン・ミート」と呼ばれるさまざまなセイタン商品群を手に入れるのは簡単だった。それらは、良質で、たいへんおいしかった。

1981年以降、私は日本よりもインドで暮らす時間のほうが多くなっていった。そして、自然とセイタンのことは忘れてしまった。 その当時、インドにはセイタンというものは存在せず、ダルとチャパティがあるばかりだったからだ。
しかし、何年か後に、インドで一人の女性と出会い、また何年か後に、子供が生まれ、自然とオーストリアに暮らす時間が多くなっていった。 彼女がオーストリア人だからである − ちなみに私は日本人です。
私はオーストリアで、また少しづつマクロビオティック料理を作りはじめた。 だが、ヨーロッパで安くておいしいマクロビオティック製品を手に入れるのはむずかしい。
ひどい味であるか、さもなければ値段がかなり高い。とくに、セイタンがそうだった。 正直に言って、ヨーロッパで「これはうまい!」というセイタンには出会ったことがない。
そこで、数年前から、いろいろな基本食材を自分で作りはじめた。セイタン、漬け物、ごま塩、納豆、タヒニ・・・ついには味噌まで・・・。
そして、それが、すべて、「おいしい!」のだ。
しかも自分で作ってみると、実に簡単で、驚くほど単純なのだ。
そこで、良質の穀物たんぱく(セイタン)を自分で作ってみたい、と思っている友人たちのために、私の知っているセイタンの知識と技をここに公開しました。 お楽しみください。



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