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7.瞑想法の紹介


これから瞑想の技法(テクニック)をいくつか紹介していこうと思いますが、読んでみたなかでなんとなく惹かれる瞑想法が見つかったら、それらを実際に試してみてください。
伝統的な瞑想法から、現代的な瞑想法まで、代表的なものをいくつか紹介します。


(1)ヴィパッサナー瞑想



ヴィパッサナー瞑想は、現在世界中でもっとも広く行われている瞑想法だといえます。
ヴィパッサナー(vipassana)とはサンスクリット語で、ものごとを・あるがままに・観照する・という意味ですが、通常、ヴィパッサナー瞑想というときには、呼吸の出入りに意識をおいて、同時に周囲で起こっているあらゆる出来事に気づいている、というひとつの瞑想法をさしています。
もともとはアナパナ・サティ・ヨグというヨガの呼吸瞑想法でしたが、ブッダ自身が修行中からおこなっていた瞑想法でもあり、後にブッダがたびたび雨期の定住地でこの瞑想法についての講義をおこない、パーリー語の経典には、この技法にたいするくわしいブッダ自身の講義(経典)が残されています。 たいへんわかりやすく、おもしろく、実際的に、くわしく説明されてますから、機会があったぜひ読んでみることをおすすめします。
ブッダの死後、仏教が外国へも枝分かれしていく過程で、この瞑想技法に少しずつ細かな違いができてきましたが、おもに呼吸を意識して見守るという基本的な技法は同じです。
仏教は皮肉なことに発祥地であるインドでは消滅してしまいましたが、その教えは他のアジアの国々に広範囲に広まっていきました。
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南にはスリランカがあり、そこでのヴィッパサナー瞑想は、呼吸とともに動く腹の動き・感覚に焦点をあわせて観照する、という技法になっています。

東のミャンマーでは、はじめに呼吸を鼻の先端で見守り、その空気が鼻に触れるときの感覚(冷たいとか、暖かいとかいう、実際的な、身体的な感覚)、それを身体の細部にいたるまで、緻密に、ひとつひとつ、冷静に、観照するという技法になりました。

タイでは、近年にいたるまで、あまり瞑想の技法というものは修行されませんでしたが、アーチャン・ブッダダーサがスアンモク森林寺院に居をかまえて、パーリ経典にもとずくアナパナ・サティ・ヨグを紹介してから、タイのほかの寺院でも実習されるようになっています。
その技法は、呼吸の出入りを気づきをもって見守ること、ブッダは、「アナパナ・サティ・ヨグを実習する僧は、樹下に坐り、静かに瞑目し、呼吸に意識を集中し、・・・熟練したろくろ師がろくろをひくときに、長くひくときは長くひいていることを知り、短くひいているときは短くひいていることを知っているように、長く呼吸しているときは長く呼吸していることを知り、短く呼吸しているときは短く呼吸していることを知っている・・・」というような説明からはじまり、その技法をいくつかの段階にわけて、その進展の過程でおこるさまざまな体験と判断についての注意を喚起しています。

また、ボーディダルマによって中国に伝えられ、老子の教え、タオ(道教)と融合して確立された禅の瞑想法(坐禅)は、数息観と随息観という二つの方法が修行されてきました。
数息観は呼吸のたびに「ひとーつ」、「ふたーつ」と内側でとなえながら、十まで数えたら、また一から数えはじめる、そのひとつひとつの数のカウントに意識を集中させ、散漫にならず、しっかりとその焦点に覚醒しているという技法です。
随息観は、瞑想中の自然な呼吸の出入りを静かにあるがままに観照するという、いわゆる南方系のヴィパッサナー瞑想法と同じ技法です。
坐禅という瞑想法は、臨済禅における「公案」という独自の手法をのぞけば、ヴィパッサナー瞑想と同じ、ブッダの実習したアナパナ・サティ・ヨグから発展した瞑想技法のひとつであるということができます。

このように、ヴィパッサナー瞑想は、仏教系の瞑想としては、読経、チャンティング瞑想とともに広く行われている瞑想法だということができ、とくに新しく瞑想に目覚めた西洋人のあいだでは、もっとも広く知られている瞑想法だということができると思います。


ヴィパッサナー瞑想のやり方


だいたい線香を一本たいている時間、30−45分を一回の座る時間に決めておきます。伝統的には、線香が一本たかれる時間を一座ときめたようですが、実際的には、自分の携帯で40分後に知らせるようにセットしてやるほうが、簡単でわかりやすいかもしれません。
この坐っている時間、自分の呼吸の出入りを静かに見守りつづけます。呼吸の出入りに意識しているときは、呼吸の出入りに意識し、身体の各部分に意識しているときには、その部分の身体的な感覚に意識しています。意識がさんまんになって、ほかのことを考えていることに気がついたら、その意識を再び呼吸を出入りに戻します。
瞑想のあいだは、心に浮かぶどんな考えも、「よい」考えも「わるい」考えも、同じように「さんまんな意識」として、静かに、元の呼吸の出入りに意識を戻します。
瞑想のあいだ、できるだけ身体は動かさないようにしますが、必要なときは、ゆっくりと、意識的に、動かしても結構です。

坐る時間が終了したら、ゆっくりと立ち上がり、次の15−30分間、気づきとともにゆっくり一歩一歩歩く瞑想を始めます。

ヴィパッサナー瞑想では、この歩く瞑想−禅では経 行(きんひん)といいます−は坐る瞑想と一対になっていて、一日中、瞑想をする際に、この坐る時間と歩く時間が交互に実習されるのがふつうです。




1−瞑想との出会い

3−瞑想の目的

5−瞑想の質

7−ヴィパッサナー瞑想

9−ワーリング瞑想

11−瞑想の起源と歴史

13.クンダリーニ瞑想−瞑想法の紹介−

15.瞑想におけるヨガとタントラのアプローチ

17.瞑想法の紹介、「私は誰か?」

2−瞑想とは何か

4−瞑想の種類

6−瞑想のやり方

8−瞑想の体験

10−トラタック(トラタカ)瞑想

12−瞑想とヨガ

14.ヨガとタントラの起源

16.瞑想とサット・サング

18.スピリチュアル寓話集「10人の馬鹿」




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